Masa ISHII
5G+クラウドから6G クラウドネイティブ・ネットワークファンクション:CNF開発が進む米国(2)
第2回:拡大する米国5Gネットワーク 勝負はミッドレンジへ
今一つの理由は5G用の電波帯域である。米国で5Gが開始された2019年は流石に基地局整備が追い付かず、固定5Gサービスを中心展開していた。結果、主要都市でのビジネス向けが中心であった。2020年になって基地局の整備が進み始めるとAT&T、Veraizon、T-mobile&Sprint(以降T-mobile)の大手3社が相次いでモバイルサービスに参入してきた。
AT&Tは2021年5月には14.000の地域で5Gサービスを月額60US$~にて提供、38の地域でミリ波を活用した「5Gプラス」という高速サービスを月額75US$~にて提供している。ベライゾンも2億3000万人口をカバーする“5G HOME”と呼ばれる5Gネットワーク、及び73地域にて“ウルトラワイドバンド”と呼ばれるハイバンドサービスを構築している。月額80US$からであるが、3キャリアの中では最速の1.8Gを出している。ハイバンド5Gは、電波到達距離が1キロメートルに満たない。そのため数百メートルごとに基地局を整備する必要がある。ベライゾン5Gのカバーエリアは、現在は35都市の市街地に限られている。人口カバー率は低いとされていたが2019年には35万だった基地局が2020年には39万5500、2021年には41万7200と増加してきた結果、75%程度に上がったとされる。(第3回に続く)
(AZCA, Inc. 奥村文隆/パートナー、東京代表)
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